おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

書籍紹介

リストが伝えるショパン

ショパンと実際に接していたリストが、ショパンの死後に書いた実質的にショパンの伝記第1号「フレデリック・ショパン その情熱と悲哀」 そこに次の言葉があります。 「この詩人と未来の音楽家の間には、断つことのできぬ絆が結ばれていくだろう。 その場所…

出てきたプログラム

捨てられるものはドンドン捨てようと整理しておりましたら、 別の引き出しにもプログラムが紛れ込んでおり、 あらま、いいかげんな仕舞い方してた・・ と、捨て始めましたら、 これは誰のコンサートだろう?と思ったプログラムが出現。 あ~、あの先生のだ。…

気質

以前から習い事は性格による、と思っていました。 お子さんにピアノを習わせる時に、 好きそうだ、興味がありそうだ、やりたいと言った と習わせるご家庭は多いと思います。 それが一番良いと思います。 ただ長続きするかは、性格とご家庭での協力体制による…

プア・ジャパンという本

常に小さなお子さんと接する職業なので、日本は将来どんな国になっているのだろうと思います。 経済には全く詳しくなく、興味もありませんでしたが、「プア・ジャパン」を読みながら今の日本の状況が少し理解出来てきました。 異次元の金融緩和策が延々と続…

指先から旅をするより

藤田真央さんの「指先から旅をする」 音が客席後方に飛ばないとか、リハーサルと本番でホールの響きが変わるとか、そんな時にいつもと弾き方を変えて対応されている姿に素人のように感心しながら読んでおります。 ピアニストが本番で咄嗟にその時の最善の演…

指先から旅をする

藤田真央さんの「指先から旅をする」を年末から読んでおります。 面白いのでどんどん読めてしまうのですが、味わいながらゆっくりと読み進めております。 指揮者との共演の話が興味深く、それぞれの指揮者の音楽家としての姿を少しだけ知ることができます。 …

「発達障害」と間違われる子どもたち

ピアノ講師は、多くの子どもや保護者の方と接する職業です。 小学校1年生から電車で塾通いで帰宅ラッシュの中を帰るお子さん、 毎日たくさんの習い事に追われるお子さん。 内心、それは本当に身になることなのだろうかと思っていました。 前回ご紹介した「…

脳が育つ順番

人間の脳は育つ順番があるそうです。 からだ脳→おりこうさん脳→こころ脳 全ての人間がこの順番なのだそうです。 5歳まではからだ脳をしっかりと育てること。 からだ脳というのは、生きるために必要な機能です。 体を動かすこと、呼吸をする事、姿勢を保つこ…

恋愛哲学者モーツァルトという本

岡田暁生氏著「恋愛哲学者モーツァルト」 岡田氏と言えば、あの「シャンドールピアノ教本」を翻訳された方です。 「恋愛哲学者モーツァルト」は、モーツァルトの 後宮からの誘拐、フィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、コジファン・トゥッテ、魔笛の5つの傑…

ブラームスの言葉

「ブラームスは語る」という本があります。 ホイベルガーという作曲家で音楽評論家であるブラームスの知人が、ブラームスとの会話をメモに書き留めていたのだそうです。 会話は出来るだけその日の内にメモするように努めたと。 会話をメモしていたことを知っ…

バッハインヴェンション こころの旅

興味深い本に出合いました。 「バッハ インヴェンション こころの旅」杉浦日出夫 著 音楽之友社 テーマやモチーフの分析といった内容ではありません。 音型(フィグーラ)からバッハのメッセージを読み解くのです。 2016年出版ですので既にお読みになられた…

アルド・チッコリーニ わが人生

「アルド・チッコリーニ わが人生 ピアノ演奏の秘密」 全音から2008年に出版された本です。 翻訳はお弟子さんの海老彰子さん。 チッコリーニは小さい時から歌に魅了されていたそうです。 歌手の叔父が言っていた、「自分の音をまるで見えるもののように、聴…

言葉から来るリズム感

少し前に読んだ「日本人とリズム感」 そこに書いてあった、日本語は冠詞がないのでアウフタクトのリズム感がない。それで、呼吸をせずにいきなり拍の頭を目掛けて突っ込む、という話。 それから、言葉の音と音の間の粘着的なつながりがない、という話。 とて…

日本人とリズム感

「日本人とリズム感(樋口桂子著)」という本があります。 著者は音楽家ではありません。文学と美学を学んだ方のようです。 言葉にお詳しい様子。美術にもお詳しいです。 そのような方がなぜリズムのことを‥、と思いましたら、ご本人が大人になってからチェ…

速度標語の由来

前回ご紹介した「日本人とリズム感」の本に、これ知りたかった!ということが書かれています。 速度標語の意味はご存知かと思いますが、元々の意味を教えて下さっています。 そのいくつかを自分のためにも書き残しておこうと思います。 Allegroには陽気な、…

リズム感と日本人の関係

大人の生徒さんにこのような本を教えて頂きました。 その生徒さんの話では、頷き方が日本人は下だけれど西欧人は上だと。 ちょうど、鈴木雅明さんのフーガの技法を聴いた時に、譜めくりの合図の出し方がよくある下ではなく、鈴木さんは上だったので珍しいな…

アンデルセン「楽園の庭」

ドビュッシーの前奏曲集第1集に「西風の見たもの」という曲があります。 アンデルセンの「楽園の庭」から着想を得た曲です。 この童話にピンと来る方は結構な読書家さんかもしれません。 西風の見たものを演奏するにあたり、楽園の庭のことは調べるとは思う…

プロコフィエフ短編集

プロコフィエフが短編小説を書いていたことをご存知でしょうか。 私は知りませんでした あのような音楽を書いたプロコフィエフが、どんな小説を書いたか興味が湧き読んでみました。 全ての小説を読んだわけではありませんが、読後感が私にはなんだかモヤモヤ…

神曲はここにも

大人の生徒さんで、バッハ=ブゾーニのシャコンヌを弾いている方がいらっしゃいます。 ピアノを専門的に学んだ人なら、おそらく一度は憧れる曲です。 さて、この生徒さんのレッスンをしていましたら、急に頭の中に神曲の煉獄の様子が浮かんできました。 そし…

忘却の川

神曲、読み終えました。 ギュスターヴ・ドレの挿絵と簡略化された文章のおかげで、スイスイと読めました。 その中で、「あっ、これのことか」と知ったことが。 以前読んだ原田英代さんの本に、師のメルジャーノフ氏がショパンの葬送ソナタの終楽章は”忘却の…

ギュスターヴ・ドレの挿絵

カントロフが、ダンテを弾くのにギュスターヴ・ドレの挿絵などを見て全体像をつかんだ、とお話しされていました。 ギュスターヴ・ドレ。 ん~、聞いたことない・・ 教養の差だ・・ 早速、ドレの挿絵の入った神曲を入手。 20年位前にダンテの神曲を読もうと試…

感覚的

日本人はドビュッシーが好きな人が多い、と聞きます。 私もそうです。 あの情景描写から、色、香り、空気、温度など、 他の作曲家にはない世界が感じられて、 ひと時、現実から離れられます。 養老孟司さんのこちらのお話を聞いて、 そういうことか!と、な…

ゲーテの言葉②

ゲーテの言葉。 読んでいると、当たり前のような言葉なのですが、 はっきりと言ってもらえると、 気持ちが楽になります。 ◇◇◇ 人間の持つものの中で、自分自身に基礎をおかぬ力ほど不安定で、 はかないものはない。 自分に命令しないものは、 いつになっても…

ゲーテの言葉

ゲーテのファウストを読まれた方も そうではない方もご存知の言葉かもしれませんが、 思わず笑った言葉。 「気分がどうのこうのといって、なんになりますか。 ぐずぐずしている人間に気分なんかわきゃしません。 ・・・・・・・・・・ 今日できないようなら…

ラドゥ・ルプーは語らない

ルプーが亡くなり、どんな演奏をされていたか じっくり聴いてみたく、 むやみやたらに聴いてもと思い、 「ラドゥ・ルプーは語らない」という本を読み始めました。 ルプーは語らないので、 これはルプーが書いたものではなく、 日本のマネージャーさんがルプ…

また、桜の国で、という本

須賀しのぶさんの、「また、桜の国で」 革命前夜に引き続き読みました。 1938年、開戦前にポーランドに赴任した外務書記生が、戦争回避に向け奔走する話。しかし、戦争は勃発。 読んでいて預言書かと思うような内容。 しかし、これは過去に起きたことを基に…

革命前夜、という本

須賀しのぶ著、「革命前夜」 1989年、ベルリンの壁が崩壊する前に東ドイツのドレスデンに音楽留学した青年を軸にした物語。 音楽の話かと思いきや、東西ドイツの社会の違いがその場にいるかのようにわかり、何度もこれはフィクションなんだと思いながらも、…

リストが伝えるショパンの魂

リスト著のショパン伝、 「フレデリック·ショパン その情熱と悲哀」 ショパンがなぜ、演奏会を滅多に行わなかったか、そのようなことも書かれています。 印象に残ったことをひとつだけご紹介。 ポーランドでは死装束を生前に自分で選ぶと。 ショパンは現代最…

フレデリック·ショパン その情熱と悲哀 -リスト著

リストが書いたショパン伝。 なんでも、ショパンが亡くなって最初に書かれたショパンの伝記はリストが書いたそうで、 誰よりも先にリストが書いたので、ショパンを知る他の人たちは書きづらくなったとか。 他の本にそのような事が書かれていたので、興味を持…

一汁一菜でよいという提案 より

土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」に、 このようなことが書かれています。 お料理と人間との間に箸を揃えて横に置くのは、 自然と人間、お天道様から生まれた恵みと人間との間に 境を引いているのです。 私たちは「いただきます」という言葉で結界…